ドライアイ、今日からできる2つの対策
この記事を読まれている方は、ドライアイについて悩みがあるのではないでしょうか?
特に、この時期は花粉症によるアレルギー性結膜炎のかゆみ、ドライアイの二重苦を訴える方が増えます。
この記事ではドライアイの原因とその対策、そして花粉症によるアレルギー性結膜炎がある方もできるドライアイ対策について解説します。
この記事でわかること
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ドライアイの症状について
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男性は〇人に1人、女性は〇人に1人!?
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なぜドライアイになるのか?
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ソフト?ハード?コンタクトレンズの選び方
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ワンデー?ツーウィーク?
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20-20-20ルールで目を休めるといい
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花粉症がある場合のドライアイ対策
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ドライアイとは
ドライアイは、涙が乾きやすくなったり、涙の出る量が少なくなったりする状態です。そのためドライアイでは、目がゴロゴロしたり、白くかすんで見えるなどの症状が出る状態です。
そんなドライアイですが、40歳以上の日本人を対象にした大規模疫学調査(Koumi Study)では男性12.5%、女性21.6%と報告されています(参考文献1)。この結果から、男性は8人に1人、女性は5人に1人が強いドライアイの症状がある、あるいは過去にドライアイと診断されていることが分かりました。
しかし、他の研究報告を見ると、地域や診断方法、程度の差などにバラつきがあり、ドライアイがある患者さんの割合は3.3%から48.0%と報告によって大きく異なります(参考文献2)。
ドライアイの原因
ドライアイにはさまざまな原因があります。ここでは、主に2つの生活習慣を取り上げます。
原因1. コンタクトレンズの使用
コンタクトレンズはドライアイの症状を強くすることがありますし、中にはコンタクトレンズをしてからドライアイの症状を自覚して初めて診断される方もいます。
ご存知かとは思いますが、コンタクトレンズよりもメガネにしたほうがドライアイにはなりにくいです。そのため、ドライアイの症状を軽くするなら、コンタクトレンズをメガネに変更するのが理想的です。しかし、ドライアイの症状があっても、コンタクトレンズを使いたい人は少なくありません。
実際の外来でも、「ドライアイの症状はあるけど、コンタクトレンズは続けたい。」という方も少なくありません。
では、コンタクトレンズの中でもドライアイになりにくいものは、どのような種類のコンタクトレンズなのでしょうか?
ドライアイにはハード?ソフト?コンタクトレンズの選び方
コンタクトレンズは、ソフトコンタクトレンズとハードコンタクトレンズの大きく2種類に分けられます。
以前は、保水性の高さからハードコンタクトレンズの方がドライアイになりにくいとされていました。しかし現在は、素材の改良や工夫により、ソフトコンタクトレンズでもドライアイの症状が出づらい商品が出てきています。
ドライアイにはワンデータイプの方が良い?
ハードコンタクトレンズは2-3年程度使えます。一方でソフトコンタクトレンズには1日使い捨て(ワンデー)、2週間交換(two week)、1か月交換(one month)するタイプなどがあります。このうち1日使い捨て以外は、こすり洗いや消毒などの管理が必要です。
この管理が不十分だと、コンタクトレンズに老廃物や細菌が付いたままになり、ドライアイや感染症などの原因になることがあります。
ちなみに、コンタクトレンズは高度管理医療機器ですので、このこすり洗いや消毒をしない、できない場合は使用しないようにしてください。その場合はメガネか1日使い捨てのコンタクトレンズを使用してください。
しかし、ワンデーのコンタクトレンズはコストが高いので、複数日使えるコンタクトのまま、こすり洗いや消毒など管理を徹底するのも良いと思います。
コンタクトレンズを使いたいけれどドライアイの症状に悩んでいるのであれば、保水性の良い、1日使い捨てのコンタクトレンズを試してみても良いでしょう。
原因2. スマホやパソコンを長時間使う
人は物を集中して見ていると、まばたきの回数が減ります。パソコン作業やスマートフォンを見ているとき、つい時間を忘れるくらい集中してしまっていることはありませんか?
実際に、Osaka Studyでも、パソコンなどの画面操作が1日8時間を超える人の方がドライアイを有する人は、そうでない人よりも多かったことが分かっています(参考文献3)。
よって、ドライアイの症状を軽くするためには、できるだけ画面を続けて見る時間を減らすと良いです。とはいえ、仕事などでどうしても画面を見る必要がある人にはなかなか難しい対策でしょう。
20-20-20ルールを取り入れよう!
そこで、アメリカ眼科学会が眼精疲労対策として推奨している「20-20-20ルール」を取り入れてみてはいかがでしょうか(参考文献4)。
20-20-20ルールとは、20分間パソコンなどの画面を見たら、画面から目を離して20秒間20フィート(5-6m)先を見ることです。このように、一時的に画面から目を離すことで、目を休める時間を意識できます。
仕事や勉強のために画面を見ているときも、20分間に1度は目を休める「20-20-20ルール」を行うようにしましょう。
このように、ドライアイは日常的にできる対策があり、こうした工夫だけでドライアイの症状が軽くなる人もいますし、症状自体を感じなくなる人もいます。
しかし、ドライアイの症状が強い人、ドライアイ対策を試してみても改善がない人は、ドライアイを引き起こす他の病気が隠れている可能性もありますので眼科を受診してください。
花粉症がある場合のドライアイ対策
花粉症の時期は目がかゆくなり、さらにドライアイの症状もあって、非常に辛い思いをしている人も方も少なくありません。
ここからは花粉症がある場合の簡単なドライアイ対策を2つ解説します。