失明原因トップは緑内障、検診とセルフチェックで早期発見を
現在、失明の原因は1位緑内障(25.5%)、糖尿病網膜症(21.0%)、網膜色素変性(8.8%)、高度近視(6.5%)と続きます(参考文献1)。しかし、緑内障は早期発見・治療によって進行を遅らすことができる可能性がある病気です。
では、検診をどのタイミングで受けるのが望ましいのか。また、検診ではどのようなことをするのか。さらに、自宅でできる簡単チェックについて解説します。この記事を読めば、緑内障を早期に発見するための眼科検診の全貌が理解できます。
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検診はどのタイミングで受けるべきか
「毎年、職場で眼科検診をしている」と言う方もいらっしゃると思います。しかし、それは視力検査だけの場合が多いのではないでしょうか?
確かに、視力検査だけでも見つかる病気はありますが、緑内障などは見つからない場合がほとんどです。
緑内障や糖尿病網膜症などを早期発見するためには視力検査に加えて、眼圧検査や眼底検査など詳しい検査が必要です。
では、いつから眼科検診をするのが理想的なのでしょうか?
緑内障の検診は40歳が目安
2000年9月から2001年10月に行われた調査(多治見スタディ)によれば、40歳以上の20名に1名が緑内障であり、年齢が上がるとともにその割合は増えていました(参考文献2)。
この報告を踏まえて、40歳以上の方には緑内障の検診を受けるように推奨しています。そのため、東京都などでは40〜50歳代で検診を受けられるよう補助が出る場合もあります。
しかし、この研究は40歳以上のみを対象としているため、40歳未満であれば大丈夫ということではありません。
例えば、血の繋がっている家族に緑内障の方がいたり、近視が強い場合などは緑内障の方が多いとされています(参考文献3)。その場合は40歳になる前であっても、眼科検診を受けるのが望ましいでしょう。
検診では視力・眼圧・眼底をチェック!
眼科検診では、視力検査と眼圧検査、眼底検査などを行います。これら検査で緑内障が疑わしければ視野検査などを行い、緑内障の有無を判定します。
1.視力検査
視力検査では、視力を測定します。視力検査の結果で裸眼の視力を気にされる方が多いですが、眼鏡などで矯正した視力がより重要です。矯正しても1.0以上出ない場合は何らかの病気があると考えます。
2.眼圧検査
眼圧では、目の硬さを測定します。目玉が硬すぎてもいけませんし、柔らかすぎてもいけません。正常の値は10-21mmHgとされ、それ以上であれば高眼圧と言います。緑内障の場合はこの値が診断や治療に重要となるので測定は必須です。
3.眼底検査
眼底検査では、目の奥にある網膜や視神経の状態を確認します。瞳孔を広げる目薬を使って、目玉の中を観察しやすくします。この所見で異常があれば、緑内障など目の病気の可能性が上がります。
所要時間は20-30分程度かかります。また、瞳孔を広げるとピントが合わなくなり、物がぼやけるため車など運転するのは非常に危険です。よって、眼科検診の際は、車などではなく徒歩や公共交通機関で来るようにしましょう。
40歳以上の方は緑内障の検診を受けるようにしましょう。自治体が補助を出している場合があるので、事前に確認しておくとお得に検診できるかもしれません。
「なかなか毎年検診するのは難しい」、あるいは「もう少し定期的に異常がないか確認したい」、そんな方のために自宅でできる簡単チェックをここで紹介します。